不動産の相続登記を長い間放置すると、いろいろと面倒なことになってしまうことや、放置するにしても戸籍、印鑑証明書等の取得と遺産分割協議書の作成は済ませておくことを以前からお勧めしてきましたが、今回は、さらに詳しくお話しをさせて頂きます。
相続登記には、いつまでに申請しなければならないという法律上の期限はありませんが、戸籍謄本、除籍謄本(原戸籍謄本)、住民票(除票)等の添付書類が必要となります。
これらの添付書類も、発行から何ヶ月以内という期限はなく、数年前に取得したものも相続登記に使用することができます。
但し、除籍謄本や除票(除附票)等については、役所の保存期間についての決まりがあり、除票(除附票)は5年、除籍謄本等は150年(法律改正以前は50年や80年)経過すると廃棄されてしまいます。
いざ相続登記を申請しようとした時に、亡くなられた方の除籍謄本や除票が廃棄されてしまっていて、取得できないこともあります。
その場合は、除籍等が廃棄された旨の証明書に加えて、相続人が他にいないことの上申書等を相続人全員で作成したり、様々な書類をかき集めたりしなければならず、手続きが複雑になりますので、除籍謄本や除票は取得して保管しておきましょう。
また、遺産分割協議書と押印した実印の印鑑証明書にも、相続登記に関しては期限の制限はありませんので、遺産分割協議書を作成してから数十年が経過していようが、当事者である相続人が亡くなっていようが、問題なくその遺産分割協議書と印鑑証明書を使用して、相続登記を申請することが可能です。
以上のとおり、まず除籍謄本等は取得し保管、内容が決まったら遺産分割協議書への捺印と印鑑証明書、そして、多少の面倒や出費を惜しまず、出来るときに登記まで済ませた方がよいと思います。